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きつねの行列
KITSUNE no gyõretsu
きつねの行列
プロローグ
昔々、安毛の山にはきつねやタヌキが多く、里にあらわれてはよく人を化かしておりました。
当時は美濃町から長瀬(板取)方面へ向かうには永昌院前の道、安毛坂を越えてゆく道しかありませんでした。
ある日、下駄屋が行商の為に安毛坂に通りかかった時。後ろから美しい娘が付いてくるのに気が付きました。
下駄屋は娘に声を掛けると、娘は『通りではゆっくり話しが出来ませんので、こちらへどうぞ』と案内しました。
下駄屋は一所懸命、娘に下駄を勧めましたが、娘は一言も話しません。
それでも何とか一つでも売りたい下駄屋は、額に汗を滲ませながら話しを続けました。
百姓仕事を終え、安毛村に帰る村人が畑の真ん中で、下駄を並べて一人で喋っている下駄屋を見つけました。
『おい!しっかりせい!』
村人に肩を叩かれた下駄屋が我に返った時は、一軒家も娘の姿もありませんでした。
※『関・美濃むかし物語』『安毛のたぬき』より加筆
美濃市の伝統文化を守るとともに新たな文化の創造に関する事業を行い、美濃市の地域活性化活動を行っているNPO法人。四つ葉のコウゾが主催するきつねの行列は、永昌院駐車場を舞台に、桜の咲く季節の週末。歌を織り交ぜた荘厳な物語として披露されます。(新型コロナウイルス感染症の影響により現在は、休止中です)
美濃市ならではの和紙で作った衣装で登場する出演者のほか、スタッフも含め多くのボランティアによって支えられています。
ライトアップされた桜の下、繰り広げられる行列は多くの方に来寺いただく永昌院の恒例行事となっています。
◆安毛のきつね(『関・美濃むかし物語』内では『安毛のたぬき』)は永昌院のある美濃市安毛に古くから伝わる伝承です。
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